アミューズメント感のある映像についての考察
総コン Advent Calendar 17日目の記事になります。
総コンの持ち回りブログ企画で初めて記事を書くわけですが、音楽やプログラミングに関係した記事が多い中、映像関係の記事を書くのは恐らく私だけ、ということで気張っていきます。
はじめに
本記事では、私が秋に制作した映像について、私の制作に対する考え方を交えながら考察していきます。
制作は全てAviUtl(以下AUL)で行いました。
制作時に私に与えた課題
まず、制作の際にいくつかの課題を設定しました。以下がその一覧です。
- テーマを決める
- テーマに基づいて映像をイメージする
- 新たな引出しを作る
- ブラッシュアップ
以上4つの課題について、これから一つずつ解説します。
テーマを決める
弊サークルは今年の学園祭で「アミューズメントパーク」(違っていたらごめんなさい)をテーマとして、自作ゲームがメインの展示を行いました。その展示の一つとして、教室のスクリーンに自作の映像が流れるというものがあり、実際にスクリーンに流した映像について本記事でまとめていきます。
そこで、設定したテーマについてですが、学園祭の展示と同じテーマで映像を作ってみました。展示と同じテーマにすることで、映像を使ってアミューズメント感を演出したかったから、というのが理由です。まぁ、たった一つのスクリーンでアミューズメント感を演出するのは難しかったというオチではありますが。教室の設備に文句を言っても仕方ないですね。
映像に限らず、テーマを決めるということはとても大事で、テーマを決めれば常にそこに向かって制作を進められるし、制作物(≒作品)にブレが生じることがありません。それだけは確かです。
テーマに基づいて映像をイメージする
テーマを決めたら、そこから連想して映像のイメージを膨らませていきます。
イメージを言葉で説明するのは難しいので先に完成品のスクショを貼っておきます。
アミューズメントというかゲーセンのイメージを落とし込んでみた結果が上記の画像です。私はあまりゲーセンに行かないので定かではありませんが、ゲーセン内部は薄暗いという印象です(格ゲーや音ゲーの筐体が置かれている所だと特に)。
その印象から、背景を黒くしました。黒い背景の場合、図形やテキスト(AULにおけるメディアオブジェクト)を光らせておくと明度のコントラストがより強くなり、それっぽい映像が作れると思います。
上記の画像にアミューズメント感があるかどうかなんて、私の主観でしかなく、周りから「アミューズメント感が全然無いぞ!」と言われてもおかしくないでしょう。しかし、制作においては「客観的なイメージ」よりも「主観的なイメージ」を信じることの方が重要な気がします。
新たな引出しを作る
テーマ決め~イメージまでは真面目に考えましたが、肝心の制作部分では大したことはやっていないため、ザックリまとめていきます。
イメージを固めたら、完成品のために必要な図形、エフェクトなどを選んでいきます。
※AULには「フィルタオブジェクト」や「フィルタ効果」などと呼ばれる、エフェクトを与える機能が存在します。本記事で「エフェクト」という言葉が出てきたら「フィルタ」のことだ、と思ってください。また、エフェクトを掛ける対象である図形やテキストのことをまとめて「メディアオブジェクト」と呼ばれ、フィルタ群とは区別されます。
制作時には自分が持っているスキルを活用して制作を進めていきますが、それと並行して新たな引出しを作るという意識を持つことが大事だと思います。
そこで、私はAULの多数のエフェクトの使い方を調べてみました。
エフェクトを掛ける対象は、完成品と同様のものですが、エフェクト部分を変えてみました。
完成品とは全く違う映像。テーマに合う映像を複数作ったというわけです。複数作っているうちに新しいアイデアが降ってくることも多いです。
ブラッシュアップ
エフェクトの種類や組み合わせを色々吟味してみて納得のいくシーンが作れたら、映像にかけるエフェクトの微調整を行います。もうここまで来ると、技術的な話は殆どありません。根気が大事です。
さすがに全てのエフェクトに触れるというのは無理なので、「光の強度」、「色調」に絞って解説していきます。
光の強度について
光の強度を調整するには、光関連エフェクトのパラメータだけでなく、図形の透明度や輝度を考慮しなければいけません。光関連エフェクトを使うとソフトの動作が重くなるわけで、制作者の根気を必要とします。
光が強すぎる場合と光がほとんどない場合を比較しました。
色調について
AULの色調補正というエフェクトを使用します。輝度、彩度、コントラストを指定でき、色相も変えることができる有能なエフェクトです。
完成品の時のパラメータ。
色調補正のコントラストのパラメータを完成品の状態から下げたものが上記の画像です。これはこれで悪くないですが、メリハリに欠けます。
パラメータの調整によってはこのように、目に悪いものが出来上がってしまいます。
複数のパラメータを調整するのは大変ですが、最適な値は自分で探すしかありません。繰り返しになりますが根気が大事です。
AULはフリーソフトなわけですが、フリーにしてはやれることが十分すぎるほどに多いです。映像の後処理を工夫すれば、それなりに質の高いものを作れると思います。「AE使えよ」とかいうコメントは受け付けない。可能性は無限大、というわけですね。
次に完成品を見せます。
完成品
図形やアニメーション効果のパターンを変えて背景映像を20個くらい作りたかった。
よくよく考えたら、技術的な話ばかりで、肝心の映像のメイキングを書いていませんでした。メイキングを書こうとするとかなり長くなりそうなので、また別の機会にします。上の映像を再生して、制作の過程を感じ取ってもらえたらな、と思います。
次が本記事の総括です。
総括
制作過程で私自身に与えた4つの課題というものに焦点を当て、制作に対する私なりの考えをまとめてみました。
記事を執筆するというのは人生で初めての経験で、伝えたいことがブレてしまったり、映像を作らない人にとっては制作過程が伝わりづらかったり、と見苦しい部分があったと思います。
こうして記事を書いた以上、今後も気が向いたら何か書きたいと思っているのですが、どこまで熱意を持ってやっていけるか…。
偉そうに制作について語っておきながら、未だに外部に私の映像を公開していないというザマなので何とかしたいところです。